そもそも FP(ファイナンシャルプランナー)って、何?
あなたは、ファイナンシャル・プランナー(以下、FP)をご存じでしょうか?
様々な媒体で情報提供をしている方も多く、既に20万人超もFPの有資格者(日本FP協会正会員=CFP®・AFP)がいるので、資格として名前ぐらいは聞いたことがあるかもしれません。
ただ、どんな業務~役割を果たしているのか? までは正確に知られていないでしょう。
事実、業務範囲が多岐に渡っていますから、あなたがFPと接した時も、対応したFPがどんな仕事をしているか?で印象付けられてしまいます。
実際に、生命保険や損害保険を扱っている方が多いので、保険を販売する人という印象が多いでしょう。
ただ、業務は多岐にわたっています。人である以上、得意不得意があり、対応分野に偏りもあるため、結局の所、「何をしているのか?良くわかない」ということになっているケースが多いと思います。
大切なお金に関する相談やサポートは信頼をしていない人でないと頼めないはずです。
怪しい人には頼めないでしょうから、結局、「食えない資格=仕事ができない」の代名詞のように言われる節もあります(笑)。
少しでも“実務家”FPのことを知って頂けるよう、このコラムに認(したた)めたいと思います。
FPの定義と役割
日本FP協会によると「FPとは、資産設計などファイナンシャル・プランニングを作成する専門家」で、「個人の夢や目標に基づくライフプランを前提に、その実現のために様々な領域に渡る包括的なアプローチによって、必要なファイナンシャル・プランニングを行うのが特徴」であると伝えています。
つまり、FPは、執筆や講演など情報提供のみを行う経済評論家ではなく、また、ファイナンシャル・プランニングというテクニックを用いて金融商品販売する人でもないということです。
実務家FPは、お客さまの隣にいて、「必要な情報収集」を行い、共に「考え」、「効率の良い作業」を行う“知的代行業務”をメインに活動していると言えます。
ただ、このタイプのFPは、資格取得以上の一定の能力と資質、人脈、体制などが必要なので、実際に実務家FPとして活動できている方は非常に少ないのが実情です。
FP(ファイナンシャルプランナー)って、なぁに? 【日本FP協会:動画】
※当動画の著作権は日本FP協会に帰属します。
・知っておきたい分類方法!
実行サポートを想定した場合、現状、FPは銀行や保険会社など金融商品販売業者、消費者である あなた との関係により、3つタイプに分類できます。
通常、消費者である あなた とその取引の相手側(例:金融商品販売業者)との関係は、情報や知識の質&量の関係から、あなたが不利な状況になっています。
FPは、実務上、この状況が対等になるように活動していると言えます。
天秤を用いて、表現すると以下のようになります。
この天秤を対等にする方法は、個々のFPの業務/活動内容により大きく異なっています
実務家FPは、意思決定のお手伝いをする!
タイプ1)セミナーや情報提供&相談・実行支援という本来のFP業務を行っているFPです。
かなり人数は少ないのですが、販売サイドと役割が分かれているため、唯一、あなた側に立ち、顧客志向で活動できる 教科書通りの「実務家FP」です。
実行支援を前提に活動しているので、有料相談を基本に活動しています。また、業務特性上、他の専門家とネットワークを組んでいます。
商品提供~問題解決のお手伝いをするFP
タイプ2)銀行や保険会社に所属しているので、その企業の利益のために活動しています。
商品拡販・販売促進を前提に、コンサルティング営業をしているので、無料相談を基本に活動しています。
提供内容や対応は、自社の取扱商品・サービスの範囲内で行うため、限定的なものとなります。
タイプ3)大多数の“独立系”FPがこのタイプになります。
保険販売の手数料などコミッションを主な収入源にしているので、自分自身が取り扱っている商品拡販が宿命になります。
通常、複数の商品をラインナップしているので、提案内容はタイプ2より汎用性が高いです。
公正中立かどうか?は、「独立系」という名称でなく、所属する会社や個々のFP自身のスタンス~活動内容・売上構成により判別できるでしょう。
どのタイプのFPとお付き合いいただいても、あなた自身の目的が満たされればOKです。
例えば、あなたが「どう行動して良いのか?わからない」という根本的な問題をお持ちであれば、意思決定のサポートを行うタイプ1のFPに頼るべきでしょうし、「どの商品を選んで良いのか?わからない」という選択をするという段階まで進んでいれば、具体的な問題解決方法を(ソリューション)提供するタイプ2か3のFPに頼るべきでしょう。
例えば、退職金の使い道をどうしたら良いか?という問いに対しては、費用はかかりますが、あらゆる選択肢を提供できるタイプ1のFPを選ばないと相手側の良いように≒あなたにとっては悪い方向に誘導をされてしまう危険があります。
一方、退職金で投資をしたいなどある程度の考えや手段が決まっている場合は、タイプ2や3のFPに相談した方が無料で相談できるので良いでしょう。
いずれにしろ、FPにもいろいろな立場や役割を担っている人がいますし、得手不得手もあります。
ですから、FPに相談を依頼する際、依頼するFPの選択を間違えてしまうと、あなたが期待しているような成果は得られなくなります。
難しいとは思いますが、資産運用と同じで、メインとなるFPを決め、複数のFPを使い分けられると良いでしょう。
ある意味、FPは未来予測するお仕事ですから、提案やサポートをミスすることもあります。
FP(CFP®/AFP)には「顧客利益第一」「誠実性の原則」という決まりがあり(日本FP協会「会員倫理規程」)、厳守されています。
日本FP協会「厳格な倫理原則」 https://www.jafp.or.jp/aim/cfp/recog/ethics.shtml
ですから、問題が発生した際に関係者への報告や謝罪など“誠実に”対応することが求められるのですが、訴訟などトラブルになっている多くのケースでは、顧客利益を第一に考え行動すること や 誠実性が欠如していることが多いように感じます。
どのようなFPなのか? 不安で確認したい方は、是非、そのFP自身や所属会社名(過去も含む)を検索して、利益相反などがきないか? 過去にどのような業務を行っていたか? 現在、どのような業務を行い、実績を持っているか? などを見てみましょう!
知らないのは・・・あなただけかもしれません(笑)。
お客さまと共に・・・
人生そのものを創造する・・・
そこにFPの真価があります。
以上
株式会社優益FPオフィス 佐藤益弘
- この記事は、Yahoo!Japanファイナンス マネー連載コラム「3分で分かる!イマドキのカードとお金」(2010年4月~2014年6月)/マイアドバイザー®にて掲載されたコラムを、2023年2月11日時点のデータを基にリライトしています。
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